生成AI領域、とりわけRAGやAIエージェントの開発を強みとする株式会社スニフアウト。少数精鋭の技術チームで事業を推進する同社では、正社員だけでなく、副業・業務委託人材を柔軟に組み合わせながら開発体制を築いています。そんなスニフアウトが「HOJORINワーカー」をどのように活用しているのか。今回は、BASHAKAの澤辺が聞き手となり、株式会社スニフアウト 代表・津本さんに話を伺いました。
津本海(つもと かい)
2021年 東京大学 大学院 複雑理工学専攻を卒業。理論物理学やヒューマンインターフェースを専門とし、在学時から大手化粧品メーカーや大手ゲーム会社で様々なAIや機械学習の開発に従事。
チャットボットを提供するベンチャー企業にて新規事業の立ち上げ及びグロースを事業責任者として主導したのち、2022年11月に株式会社スニフアウトを創業。
定着化を実現するヒューマンセントリックな生成AIアプリケーション開発や、上流の意思決定にまで入り込む コンサルティングを得意としており、これまで40以上の企業の生成AI導入を成功に導く。
生成AIに特化した少数精鋭の組織。だからこそ、採用の柔軟性が重要だった
――まず、御社の事業内容とチーム体制について教えてください。
津本さん:
うちは生成AIの技術スタートアップで、特にRAGとAIエージェントに特化した技術ベンダーです。組織全体では20人くらいで、ビジネスサイドは5人未満。残りはほとんどエンジニアですね。役員・正社員は3人だけで、それ以外は副業や業務委託のメンバーです。フルコミットしている人に絞っても、正社員と業務委託を含めて5〜6人くらいです。
スニフアウトは、まさに“フルエンジニア組織”といえる体制で事業を伸ばしてきました。案件や技術スタックごとに必要なスキルが異なるからこそ、固定的な組織設計よりも、必要なタイミングで必要な人材とつながれる柔軟さが重要だったといいます。
従来の採用サービスには、コスト面でも構造面でも納得しきれなかった
――これまでは、どのように採用していたのでしょうか。
津本さん:
まずスタートアップなので、採用に大きな初期投資はしたくなかったんです。最初は採用媒体も検討したんですけど、理論年収の30%くらいを手数料として取られるのが普通じゃないですか。それが本当に嫌で。しかも、うちが採用したいAIエンジニアって単価も高いので、30%取られると成立しづらい。月額制のサービスも見ましたけど、そういうところは結局、人材の質があまり合わなかった。結果的に、XでDMして探すやり方が主な採用手段になっていました。
ただ、XでのDM採用は再現性が高いとは言えません。プロフィールや投稿から見える情報には限界があり、スカウトする側の力量にも左右される。今後さらに組織を広げていくことを考えると、もっと効率的で、かつ判断材料のある出会い方が必要だと感じていたそうです。
HOJORINワーカーを知ったのは、ちょうど採用手法に悩んでいたタイミングだった
――HOJORINワーカーを知ったきっかけを教えてください。
津本さん:
BASHAKAの澤辺さんからこういうサービスを始めると聞いたんですよね。ちょうど新しい採用のやり方を探していたタイミングで話を聞いて、興味を持ちました。XでのDM採用って、時間もかかるし、得られる情報も限られるじゃないですか。そこに課題感があったので、「じゃあ一度使ってみようか」という流れでした。
導入の背景には、すでに採用の現場で感じていた課題がありました。単なる“付き合い”ではなく、既存の採用手法では埋まらないギャップがあったからこそ、導入に踏み切ったというのが実態に近いようです。
登録から稼働までは約1日。導入は想像以上にスムーズだった
――実際に導入してみて、立ち上がりはどうでしたか。
津本さん:
かなりスムーズでしたね。登録してから実際にワーカーが動くまで、たしか1日くらいだったと思います。契約書はうちの雛形を使って、CloudSignで処理しました。あとはメッセージ上で「終わりました」「送りました」みたいなやり取りをする形で進めていました。うちとしては、自社の契約書雛形を使いたいタイプなので、その前提でもちゃんと進められたのはよかったです。
副業・業務委託活用においては、実際の契約フローやコミュニケーションコストがネックになりがちです。その点、HOJORINワーカーは必要な実務を十分に回せる感触があり、現場にとっては導入障壁が低かったといえそうです。
一番大きかったのは、直接取引によるコストインパクト
――導入してみて、もっとも大きかった変化は何でしょうか。
津本さん:
やっぱりコストですね。直接取引になったことで、これまで発生していた仲介手数料がなくなった。その結果、感覚としては元々の75%くらいにコストを圧縮できたと思っています。月額費用として見てもかなり抑えられた印象です。
この“直接つながれる”ことの価値は、企業側だけのものではありません。津本さんは、ワーカー側にとっても単価設計がしやすくなり、一部業務をさらに外注するような柔軟な構成もとりやすくなる点にメリットがあると話します。中間に複数のプレイヤーが入る構造では難しい働き方が、直接契約なら成立しやすくなる。そこも、HOJORINワーカーに感じた価値のひとつでした。
AIエンジニア採用では、“何を作っているか”が見えることが何より大事
――では、スニフアウトではどのような人材を求めているのでしょうか。
津本さん:
AIエンジニアで重視しているのは、知的好奇心の強さと、面白いライブラリを見つけたらすぐ試して実装しちゃうスピード感ですね。だから、QiitaとかGitHubとか、個人のテックブログみたいなものはかなり見たいです。完成された記事じゃなくてもよくて、「こういうの実装してみた」みたいな日記レベルの発信でもいい。職務経歴書やスキルシートのように、何をやってきたかがパッと見える情報もあるとうれしいです。
特に印象的だったのは、SNSより少し長く、でも重すぎないアウトプットへの評価です。Xのような短文投稿だけでは伝わらない技術的関心や実装経験が、少しだけ長いテックブログやメモのような形式だと見えやすい。そうした“実装の気配”が見えることが、スニフアウトの採用では大きな判断材料になっているようです。
理想は、サービスを聞いたら自分から手を動かせる人
――即戦力という観点では、どんなタイプが理想ですか。
津本さん:
理想を言えば、サービス内容を聞いた時点で「ここはこうじゃないですか」と自分で考えて、簡単に作ってみて、プッシュ前くらいまで進めてしまう人ですね。言われたことをそのままやるだけじゃなくて、自分で解釈して前に進められる人がありがたいです。
これは、少数精鋭の技術組織ならではの基準かもしれません。チームの密度が高い分、求められるのは単なる稼働時間ではなく、理解の速さと推進力。だからこそ、スキルそのものだけでなく、普段どれだけ自発的に技術へ触れているかも重視されていました。
今後は、プロジェクト単位で副業・業務委託を組み合わせる形がもっと増える
――今後の開発体制については、どのように考えていますか。
津本さん:
コアメンバーはフルで動いてほしいです。ただ、案件ごとに技術スタックや必要な専門性が違うので、その案件単位で相談できる人がたくさんいるほうがハッピーなんですよね。副業メンバーって、必ずしも1人月で入る必要はないじゃないですか。だから、プロジェクトごとに必要な人を柔軟に組み合わせる形がもっと増えると思っています。
また、AIの発展によって、従来のようにナレッジを強く社内に囲い込む必要性は相対的に下がっていくのではないか、という見方もありました。加えて、市況変化やレイオフの増加によって、高スキル人材が企業所属ではなくフリーランス・個人事業主として活動する流れは強まる可能性がある。そうした変化の中で、副業・業務委託活用の重要性はさらに増していくと見ています。
新しいプロジェクトが始まる時は、まずHOJORINワーカーから探したい
――HOJORINワーカーは、今後も活用していく予定でしょうか。
津本さん:
もちろんです。採用するときは、一番最初にそこから探すと思います。サービス開始から数週間くらいの段階でも、すでに2〜3件応募が来ていましたし、「来週から動けます」みたいな、すぐ稼働できる人も多かったですね。今は採用をそこまで加速していないんですけど、新しいプロジェクトが始まるタイミングではかなり使いたいです。
単に登録者数がいるというだけでなく、「今すぐ動ける人がいる」というスピード感は、リーンに事業を進める企業にとって大きな価値です。必要なタイミングで必要な人材とつながれること。その点で、HOJORINワーカーはスニフアウトにとってかなり実用的な選択肢になっているようでした。
副業・業務委託活用の活用を検討している企業へ
――最後に、副業や業務委託の活用を検討している企業へメッセージをお願いします。
津本さん:
副業や業務委託の活用ができないと言っている人は、実務経験がないだけだと思っています。人を評価するための情報って、履歴書や職務経歴書の中に十分あるんですよね。そこをちゃんと見れば、見極めることは可能です。
スニフアウトの事例から見えてくるのは、副業・業務委託活用が“特別な採用手法”ではなくなりつつあるということです。必要なのは、適切な情報を見て、適切に判断すること。そして、余計な中間コストや構造的な制約を減らしながら、直接つながれる仕組みを持つこと。その選択肢として、HOJORINワーカーは十分に機能していることが、今回のインタビューから伝わってきました。
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